映画『グラン・トリノ』のネタバレ！

2008年製作のアメリカ映画『グラン・トリノ』は、クリント・イーストウッドが監督・主演を務めたヒューマンドラマです。偏屈な老人ウォルトと、隣家に住むアジア系移民の少年タオとの交流を通して、人種差別や世代間の断絶、贖罪といったテーマを描いています。イーストウッドの円熟した演技と、重厚なストーリーが観る者の心を揺さぶる作品です。

『グラン・トリノ』のネタバレ！

妻を亡くし、息子や孫とも疎遠になった偏屈な老人ウォルトは、愛車グラン・トリノを心の拠り所に生きていました。隣家にアジア系移民のモン族一家が引っ越してきて、当初は偏見を抱いていたウォルトでしたが、少年タオとその姉スーと関わるうちに、徐々に心を開いていきます。

しかし、タオがギャングに目を付けられ、ウォルトは彼らを威嚇しますが、その報復としてタオの家は銃撃され、スーは暴行を受けてしまいます。怒りに燃えるウォルトは、タオを部屋に閉じ込め、単身でギャングのアジトへ向かい、命を落とします。

ウォルトの死によってギャングは逮捕され、タオとスーは安全な暮らしを取り戻します。ウォルトは遺言で、愛車のグラン・トリノをタオに譲っていました。

映画版『グラン・トリノ』の概要

監督：クリント・イーストウッド
脚本：ニック・シェンク
製作年：2008年
製作国：アメリカ
上映時間：117分
ジャンル：ドラマ
興行収入：全世界で2億7000万ドルの興行収入を記録し、批評家からも高い評価を受けました。

『グラン・トリノ』のキャスト

ウォルト・コワルスキー／クリント・イーストウッド

朝鮮戦争の退役軍人で、頑固で偏屈な老人。フォードで長年働いていたため、アメリカ車への強いこだわりを持つ。妻を亡くし、息子たちとも疎遠になっている。愛車グラン・トリノを盗もうとしたタオと出会い、彼とその家族と交流する中で、自身の過去と向き合い、変化していく。

クリント・イーストウッドの主な作品

荒野の用心棒
ダーティハリー
許されざる者
ミリオンダラー・ベイビー

タオ・ロー／ビー・ヴァン

ウォルトの隣家に住むモン族の少年。内気で気弱な性格で、ギャングから目を付けられ、トラブルに巻き込まれる。ウォルトから男らしさや仕事 ethic を学び、成長していく。

ビー・ヴァンの主な作品

グラン・トリノが俳優デビュー作

スー・ロー／アーニー・ハー

タオの姉。しっかり者で、家族思い。ウォルトに対しても物怖じせず、意見を言うことができる。

アーニー・ハーの主な作品

グラン・トリノが俳優デビュー作

ヤノビッチ神父／クリストファー・カーリー

ウォルトの家の近所の教会の神父。ウォルトの妻の葬儀を執り行い、生前の彼女の願いでウォルトに懺悔を勧める。

クリストファー・カーリーの主な作品

イントゥ・ザ・ワイルド

『グラン・トリノ』のあらすじと結末

偏屈な老人と移民家族

舞台はアメリカ、デトロイト。朝鮮戦争の退役軍人であるウォルト・コワルスキーは、妻に先立たれ、息子たちとも疎遠になっていました。彼は頑固で偏屈な性格で、愛車である1972年型フォード・グラン・トリノを心の拠り所に、孤独な日々を送っていました。ウォルトの家の隣に、アジア系移民のモン族の家族が引っ越してきます。ウォルトは彼らに対して偏見を抱き、冷たい態度をとっていました。ある夜、モン族の少年タオが、ギャングの従兄弟に脅され、ウォルトのグラン・トリノを盗もうとします。ウォルトはタオを捕まえ、銃を突きつけますが、タオは必死に抵抗します。その姿を見て、ウォルトは何かを感じ、タオを解放します。

交流と心の変化

その後、ウォルトはタオとその姉スーと関わるようになり、彼らの人柄に触れるうちに、徐々に心を開いていきます。ウォルトはタオに男らしさや仕事の大切さを教え、タオもウォルトを慕うようになります。しかし、タオを狙うギャングは執拗で、タオを襲撃し、顔に傷を負わせます。ウォルトは怒り、ギャングを追い払い、タオを守ろうとします。

悲劇と決断

ギャングはウォルトの行動に報復するため、タオの家に銃撃し、スーを暴行します。ウォルトは深い怒りと罪悪感に苛まれ、タオとスーを守るために、ある決断を下します。彼はタオを地下室に閉じ込め、単身でギャングのアジトへ向かいます。そして、ギャングを挑発し、彼らに自分を撃たせることで、自らを犠牲にしてタオとスーを守ったのです。