太宰治『斜陽』のネタバレ！

斜陽は、太宰治によって書かれた中編小説で、戦後の没落貴族を描いた作品です。1947年に発表され、「斜陽族」という言葉を生み出すなど、社会的にも大きな影響を与えました。 本記事では、斜陽のストーリーをネタバレを含めて詳しく解説していきます。

太宰治『斜陽』のネタバレ！のネタバレ！

斜陽は、戦後の混乱期を舞台に、没落貴族の娘かず子が、新しい時代の中で懸命に生きようとする姿を描いた物語です。 かず子は、母と弟の直治とともに、伊豆の山荘で質素な生活を送ることになります。 弟の直治は、戦地で阿片中毒になり、自暴自棄な日々を送ります。

かず子は、直治の文学の師である上原二郎に恋心を抱きますが、上原は妻子持ちの身でした。 母の死後、かず子は上原の子を身ごもりますが、直治は上原の妻に恋焦がれて自殺してしまいます。

かず子は、古い道徳観と闘い、新しい時代を生き抜く決意をします。

太宰治『斜陽』のネタバレ！の登場人物

かず子（宮本茉由）

29歳の没落貴族の娘。戦後、母と伊豆の山荘に移り住み、慣れない生活に苦悩する。 上原二郎に恋心を抱き、彼の子を身ごもる。 映画版では宮本茉由が演じている。

お母さま（水野真紀）

かず子と直治の母。 気品あふれる貴婦人だが、結核を患い、物語途中で亡くなってしまう。 映画版では水野真紀が演じている。

直治（安藤政信）

かず子の弟。 戦地から帰還するが、アヘン中毒になっており、精神的に不安定な状態。 上原二郎を尊敬し、彼に傾倒する。 上原の妻に恋心を抱き、自殺する。 映画版では安藤政信が演じている。

上原二郎

直治が師と仰ぐ小説家。 妻子持ちだが、酒と女に溺れる生活を送っている。

太宰治『斜陽』のネタバレ！のストーリー

伊豆での生活

戦後、東京の家を手放したかず子とお母さまは、伊豆の山荘に移り住みます。 かず子は、慣れない生活に戸惑いながらも、母を支え、懸命に生きようとします。 一方、お母さまは、結核を患い、次第に衰弱していきます。

直治の帰還

戦死したと思われていた弟の直治が、伊豆に帰還します。 しかし、直治は、戦地でアヘン中毒になっており、自暴自棄な日々を送ります。 かず子は、そんな弟を心配し、何とか更生させようとしますが、うまくいきません。

かず子の恋

かず子は、直治を通じて知り合った小説家・上原二郎に恋心を抱きます。 6年前、直治が薬物中毒になった際、かず子は上原に借金の肩代わりを頼み、その際に彼にキスをされたことがありました。 かず子は、上原への叶わぬ恋に苦悩します。

お母さまの死

お母さまは、結核が悪化し、静かに息を引き取ります。 かず子は、母の死に深く傷つきながらも、新しい時代を生き抜く決意を固めます。

かず子と上原の関係

母の死後、かず子は上原に会いに東京へ行きます。 そして、上原と一夜を共にし、彼の子を身ごもります。

直治の自殺

かず子が上原と関係を持った翌朝、直治は自殺します。 直治は、上原の妻に恋心を抱いており、叶わぬ思いに絶望した末の自殺でした。

新しい時代への決意

かず子は、直治の死を悲しみながらも、彼が残した「人間は、みな、同じものだ」という言葉に励まされ、前を向こうとします。 彼女は、上原の子を産み、古い道徳観と戦い、太陽のように力強く生きていくことを決意します。

まとめ

斜陽は、戦後の混乱期を背景に、没落貴族の悲哀と、新しい時代への希望を描いた作品です。 かず子の力強い生き方は、当時の若者たちに大きな影響を与え、「斜陽族」という言葉を生み出しました。 斜陽は、太宰治の代表作の一つであり、現代でも多くの人に読まれています。