『聖闘士星矢』は、1980年代に登場して以来、数多くのファンを魅了してきたバトルアニメです。星座をモチーフにした聖闘士たちが、神々との戦いを繰り広げる壮大な物語は、原作漫画、アニメ、映画、そしてスピンオフ作品まで幅広く展開されています。この記事では、その魅力をネタバレありで徹底的に解説していきます。
聖闘士星矢とはどんな物語?
『聖闘士星矢』は、ギリシア神話を背景に、主人公・星矢とその仲間たちがアテナを守りながら数々の敵に立ち向かう物語です。彼らは「聖闘士(セイント)」として、壮絶な戦いを通じて友情や勇気を示します。
簡単なあらすじ
物語は、星矢がペガサスの聖闘士として認められ、銀河戦争に参加することから始まります。彼は仲間たちと共に、数々の敵と戦いながら、やがて女神アテナを守るため、さらなる困難な戦いに挑むこととなります。
登場人物の簡単な紹介
星矢(古谷徹): 天馬星座の聖闘士で、物語の主人公。代表作は『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ。
紫龍(鈴置洋孝): 龍星座の聖闘士で、冷静な性格を持つ戦士。代表作は『ドラゴンボールZ』のベジータ。
氷河(橋本晃一): 白鳥星座の聖闘士。冷静沈着で、母を想う深い感情を持つ。
瞬(堀川亮): アンドロメダ星座の聖闘士で、優しい心の持ち主。
一輝(堀秀行): 鳳凰星座の聖闘士で、瞬の兄。冷徹さと情熱を持つ。
『聖闘士星矢』の制作スタッフ
原作は車田正美による漫画で、1986年にアニメ化されました。アニメ版の監督は森下孝三、キャラクターデザインは荒木伸吾が担当し、アニメーション制作は東映アニメーションによるものです。音楽は横山菁児が担当しており、主題歌も作品の世界観を盛り上げる要素のひとつです。
『聖闘士星矢』の登場人物
星矢(古谷徹)

天馬星座の聖闘士で物語の主人公。古谷徹は『機動戦士ガンダム』のアムロ・レイ役で知られ、長いキャリアを誇るベテラン声優。
紫龍(鈴置洋孝)

龍星座の聖闘士。誠実かつ冷静な戦士。鈴置洋孝は『機動戦士ガンダム』のブライト・ノア役で有名。
氷河(橋本晃一)
白鳥星座の聖闘士。橋本晃一は『キャプテン翼』の若林源三役などを担当。
瞬(堀川りょう)
アンドロメダ星座の聖闘士。堀川りょうは『ドラゴンボールZ』のベジータ役で知られる。
一輝(堀秀行)
鳳凰星座の聖闘士。堀秀行は『シティーハンター』のファルコン役で有名。
城戸沙織(潘恵子)
アテナの転生体。潘恵子は『美少女戦士セーラームーン』でルナ役を担当。
聖闘士星矢のネタバレ
銀河戦争編
銀河戦争は、星矢たち青銅聖闘士が互いの実力を競い合う大会として始まります。しかし、戦いの途中で、強力な敵である暗黒聖闘士が現れ、物語は戦いから生死をかけた真のバトルへと転換します。星矢は多くの仲間と協力し、暗黒聖闘士を打ち倒しますが、この戦争がきっかけで、さらなる大きな戦いに巻き込まれることとなります。
黄金十二宮編
女神アテナの命を救うため、星矢たちは12の宮を守る黄金聖闘士たちと激しい戦いを繰り広げます。各宮では、12の黄金聖闘士たちがアテナを護る強力な力を持っており、それぞれが強大な技で立ちはだかります。星矢は仲間と共に各宮を突破し、最終的にサジタリアスの黄金聖闘士アイオロスの聖衣を装着し、教皇に対する一撃を放ち、アテナを救います。戦いの果てに、アテナが教皇の正体を暴露し、正義が勝利します。
ポセイドン編
ポセイドンの復活により、地球は水没の危機に直面します。星矢たちは海底神殿で、海将軍たちと壮絶な戦いを繰り広げます。海の神ポセイドンはアテナを捕らえ、地球を沈めようと計画しますが、星矢たちは次々と強敵を打ち倒し、最終的にポセイドン自身との戦いに挑みます。星矢がポセイドンの柱を破壊し、アテナが彼を再び封印することで、世界は破滅を免れます。
ハーデス編
ハーデスが冥界から蘇り、星矢たちは冥界へと向かいます。この編では、聖闘士たちが再び命を懸けた戦いを繰り広げ、特にハーデスとの最終決戦は壮絶を極めます。アテナは冥界に囚われた聖闘士たちを救うため、ハーデスに立ち向かいます。ハーデスとの戦いの中で、星矢は再び力を発揮し、アテナが最後の一撃でハーデスを討ち滅ぼし、長く続いた戦いが終結。地上に平和が訪れますが、星矢自身はこの戦いで重傷を負い、物語は一時の安息を迎えます。
アニメ版『聖闘士星矢』の見どころ
オリジナルエピソードの追加
アニメ版は原作にないオリジナルエピソードが多く追加されており、全114話にわたる壮大な物語が展開されます。特に、黄金十二宮編では、原作では描かれなかったキャラクターの感情や背景が掘り下げられ、より深いドラマが楽しめます。特定の回では各聖闘士の幼少期や修行時代が描かれ、彼らの成長や苦悩が視聴者に感情移入しやすくなっています。
名シーンの数々
アニメ版『聖闘士星矢』には、数々の名シーンが存在します。星矢と紫龍の友情を描いた戦いは、感動的なエピソードのひとつ。紫龍が自己犠牲の覚悟を持って戦う姿勢や、氷河が母親の遺体を思い、氷の海での激戦に挑むシーンなど、キャラクターごとのエピソードが印象深いです。また、十二宮編では、黄金聖闘士との激闘が視覚的にも迫力ある演出で描かれ、星矢たちの成長を強く感じる場面が多数。
主題歌と音楽
『聖闘士星矢』の主題歌は、アニメファンの間で語り継がれる名曲ぞろいです。オープニングテーマ「ペガサス幻想」は、作品の象徴とも言える一曲で、聖闘士たちの戦いを鼓舞するような力強い旋律が魅力。また、横山菁児による壮大なBGMは、特に戦闘シーンや感動的な場面を盛り上げ、物語に奥行きを与えています。キャラクターごとのテーマ曲も、各聖闘士の個性を引き立てる重要な要素です。
オリジナルキャラクターとストーリー
アニメでは、原作には登場しないオリジナルキャラクターやエピソードが盛り込まれています。例えば、青銅聖闘士以外にも、多くの脇役キャラクターが登場し、彼らが物語に独自の味を加えています。アニメオリジナルの展開は、特にポセイドン編やハーデス編で顕著であり、アニメファン向けに新しい視点で物語が楽しめるように構成されています。
作画とアクションシーン
1980年代に放送されたにもかかわらず、アニメ版の作画やアクションシーンは、当時の技術としては非常に高水準です。特に聖闘士たちが繰り出す「小宇宙(コスモ)」を使った技や、流れるような戦闘シーンは視覚的に見ごたえがあります。星矢の「ペガサス流星拳」や、紫龍の「昇龍覇」などの必殺技がアニメ独特の演出で描かれ、ファンを魅了しました。
映画版やスピンオフ作品について
劇場版の見どころ
『聖闘士星矢』は、劇場版が複数制作されており、特に注目すべきは1987年の劇場版第1作『聖闘士星矢』です。劇場版では、アニメ版や原作にない新しいストーリーが展開され、星矢たちが新たな敵と戦う姿が描かれています。戦いの舞台は神々の世界にまで広がり、アクションシーンや必殺技の演出が大画面で一層映えることから、アニメ版とはまた異なる迫力があります。
劇場版には、神話に基づいた独自のキャラクターや新たな聖闘士が登場し、オリジナルストーリーが展開されます。例えば、『神々の熱き戦い』では、北欧の神々との戦いが描かれ、アニメでは見られない壮大な設定がファンの注目を集めました。また、『最終聖戦の戦士たち』では、地上の運命をかけた決戦が繰り広げられ、劇場版特有の壮大なスケールで描かれます。
スピンオフ作品の魅力
アニメ版『聖闘士星矢』の人気を受け、さまざまなスピンオフ作品が登場しています。『EPISODE.G』は、黄金聖闘士たちの若き日の戦いを描いたシリーズで、特にライオネス星座のアイオリアに焦点を当てた物語です。若かりし黄金聖闘士たちの成長や葛藤が描かれ、原作の裏側で起きていた戦いがファンを引きつけます。
また、『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』は、前日譚にあたる作品で、250年前の聖戦が舞台です。アテナとハーデスの過去の戦いを中心に描かれ、原作では描かれなかった背景が明らかにされます。キャラクターの深い人間性や、壮大なスケールで描かれるバトルシーンが高い評価を受けており、新たなファン層も獲得しました。
さらに、『聖闘士星矢 セインティア翔』は女性聖闘士を中心に描かれた作品で、アテナの近衛隊として戦う女性たちが主人公です。これまでの『聖闘士星矢』とは異なる視点から物語が展開され、女性キャラクターの成長や葛藤、友情が描かれます。スピンオフ作品は、各々が異なる視点や新しい世界観を提供し、シリーズの世界を広げ続けています。
聖闘士星矢の世界をより深く知るために
聖闘士と聖衣(クロス)のランク
『聖闘士星矢』の聖闘士たちは、アテナに仕える星座をモチーフにした「聖衣(クロス)」を纏います。聖衣は階級ごとに分けられ、最も下位の青銅聖闘士(ブロンズセイント)、次に白銀聖闘士(シルバーセイント)、そして最強の黄金聖闘士(ゴールドセイント)があります。特に、黄金聖闘士は、12星座に対応した最強の戦士として圧倒的な力を誇り、それぞれの技やエピソードが深く描かれています。
青銅聖闘士の聖衣は修復可能であり、成長や戦いを経て強化される設定があります。たとえば、星矢のペガサスの聖衣は、戦いの中で幾度も破壊され、そのたびに修復や強化を受けてきました。
小宇宙(コスモ)と必殺技
「小宇宙(コスモ)」は、聖闘士たちが秘める宇宙エネルギーであり、この力を最大限に引き出すことで聖闘士たちは超人的な力を発揮します。星矢の「ペガサス流星拳」や、紫龍の「昇龍覇」など、それぞれのキャラクターには独自の必殺技があり、小宇宙を爆発させることで強大な力を解き放ちます。
小宇宙は、単なるパワーの源ではなく、修行や精神的な成長によって高められるため、キャラクターの成長とともに技や戦闘スタイルが進化していくことも大きな魅力です。アニメでは、この小宇宙を爆発させるシーンが視覚的に力強く描かれており、戦闘シーンに迫力を与えています。
聖域(サンクチュアリ)と十二宮
物語の中心的な舞台となる「聖域(サンクチュアリ)」は、ギリシアに位置し、アテナを守る聖闘士たちの本拠地です。ここには、アテナの神殿や聖闘士たちの訓練場があり、特に「十二宮」は、物語の中で重要な場所となります。十二宮は、12の星座を象徴する黄金聖闘士たちが守護する神殿で、それぞれの宮を突破しなければアテナの元へはたどり着けません。
この設定は、星座や神話をモチーフにしており、聖闘士たちがそれぞれの宮を突破する過程で、己の限界を超える戦いが描かれます。特に黄金聖闘士たちは、強大な力を持ち、星矢たち青銅聖闘士にとって最大の試練となります。
アテナの役割
アテナは、ギリシア神話の女神であり、『聖闘士星矢』においても重要な役割を担います。城戸沙織として転生したアテナは、地上の平和を守るために自ら戦場に赴き、聖闘士たちを導きます。彼女の慈愛と強い意志は、聖闘士たちにとって精神的な支えとなり、物語のクライマックスでは、彼女自身も大きな力を発揮します。
アテナの役割は、単に聖闘士たちの守護者というだけではなく、正義と平和を象徴する存在として描かれ、物語全体のテーマである「正義のために戦うこと」の核となっています。
まとめ
『聖闘士星矢』は、ギリシア神話を基にした壮大なバトルストーリーで、多くのファンを魅了し続けています。原作とアニメ版では異なる展開が楽しめる点も魅力的です。アニメ版ではオリジナルエピソードや音楽が加わり、さらに物語に深みを与えています。これから『聖闘士星矢』を観る方も、既にファンの方も、改めてこの作品の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。